梅雨明けも近づき、いよいよ夏本番ですね!
先日、あるママさんから「来年から復職するのですが、保育料ってどう決まるんですか?高額だと聞いて不安で…」とご質問をいただきました。
「え、そんなに高いの!?」と請求額に驚くことも多い保育料。でも、その仕組みを正しく知れば、賢く負担を軽くできる可能性があります。
今回は「保育料」の決まり方と、今日からできる節約のポイントを分かりやすく解説します! 夏のレジャーなど、お金に邪魔されないお子さまとの思い出作りのためにも、しっかりチェックしていきましょう!
大原則:保育料は「前年の所得に応じた住民税」で決まる!
まず絶対に覚えておきたい基本ルールです。認可保育園の保育料は、会社員の方も自営業の方も、“世帯(ママ・パパ両方)の前年の所得を元に計算される「住民税の所得割額」”で決まります。
簡単に言うと、**「住民税を安くできれば、翌年の保育料も安くなる」**ということです。
【重要ポイント】保育料に影響するタイミング
保育料は毎年9月に見直されます。そのため、今年の1月~12月の所得が影響するのは、来年の住民税、そして来年9月~再来年8月までの保育料となります。少し先の話になりますが、早めに知っておくことが大切です。
では、具体的にどうすれば良いのでしょうか?方法は大きく2つあります!
■方法①:「働き方」や「ライフイベント」を賢く活用!
その年の働き方は、翌年の住民税、ひいては翌々年の保育料に影響します。
育児休業の取得:育休を取得してその年の収入が下がれば、翌年の住民税と保育料もおさえることができます。4月のコラムでお伝えした給付金制度の拡充もあり、以前よりご夫婦での育休が取得しやすくなっていますのでぜひ活用しましょう!
時短勤務での復帰:復帰後、時短勤務を選ぶ方も多いと思いますが有効な方法です。下がった給与分は翌年の住民税に反映されます。 さらに、時短勤務で減った給与の一部を補う「育児時短就業給付金」は非課税のため、保育料の計算に含まれません(5月のコラム)。これは保育料をおさえる上で非常に効率的な選択肢です。
極端な表現をしてしまえば、多く働いてしまったがために保育料が増加して、手元に残る金額が少なくなってしまう、なんてことも!
とはいえ一番大事なのは、経済と自分が日常生活で大事にしたいこととのバランスだと思います。お金の面=経済的にベストな選択が、必ずしも人生を豊かにするとは限りません。復帰するための条件や職場での一緒に働く同僚との関係もあります。
ライフステージの変化、生活環境の変化を経て、今大事にしたいことは何ですか?育休中にぜひ今の価値観と、お金の面とをゆっくり考えてみてください。
■方法②【所得控除】を活用して、税金の計算元を減らす!
1.iDeCo(個人型確定拠出年金)
掛け金の全額が所得から差し引かれるため、非常に節税効果の高い方法です。 老後の資金準備もできて一石二鳥ですが、以下のような注意点もありますので、現在iDeCoを活用されている方がこの期間だけ掛け金をコントロールするということをお勧めします。
•注意点①:資金が長期間ロックされる
iDeCoは老後のための年金制度なので、原則60歳まで資金を引き出すことができません。保育料の負担が最も重いのは0歳~2歳クラスの数年間ですが、そのために数十年間使えない資金を固定してしまって大丈夫か、家計の状況を見て慎重に判断しましょう。
•注意点②:住宅ローン控除との相性
iDeCoで所得税が減ると、住宅ローン控除で戻ってくるはずだった税金の一部が引ききれなくなり、結果的に控除の恩恵が減ってしまう可能性があります。
iDeCoはあくまで「老後資金」作りがメインです。「保育料のため」と無理に上限額まで始めるのではなく、家計に合った掛け金を設定したり、上記のような働き方を考え直してみたりすることの方が優先順位は高いと言えます。現在iDeCoをされている方はやはりこちらもバランスで、具体的に計算してみることをお勧めします。
2.その他の所得控除もチェック!
意外と見落としがちな控除もあります。年末調整や確定申告で忘れずに申請しましょう。
■医療費控除: 家族の医療費が年間10万円を超えた場合に申請できます。
■生命保険料控除・地震保険料控除: 支払っている保険料の一部を所得から差し引けます。
■ひとり親控除: 婚姻歴や性別にかかわらず、生計を一つにする子がいる単身者が対象となる控除です。
■雑損控除: 自然災害や盗難などで資産に損害を受けた場合に適用されます。
2月のコラムでこちらも触れていますので、ぜひご覧ください!
【豆知識】ふるさと納税・住宅ローン控除は保育料に影響する?
聞き馴染みのある「ふるさと納税(先月コラム)」や「住宅ローン控除」。これらで税金が安くなれば、保育料も下がると思っていませんか?
実は、これらは直接的には保育料を下げません。
なぜなら、これらは「税額控除」という仕組みで、すでに計算が終わった税金そのものから直接引かれる「おまけの割引」のようなものだからです。 保育料の計算に使われる「割引を適用する前の住民税額」は変わらないため、保育料には影響しないのです。
しかし、どちらも手元に残るお金(手取り)を増やす強力な味方であることは間違いありません。
「所得控除」で保育料の土台を下げつつ、「税額控除」で手取りを最大化する、という両輪で家計を考えるのが賢い方法です。
【重要】お住まいの「自治体独自の制度」を必ずチェック!
国の制度だけでなく、市区町村が独自に設けている保育料の軽減措置も見逃せません。
•多子世帯(兄弟姉妹)への減免
•ひとり親世帯への減免
•世帯の所得に応じた独自の減免
また、認可外保育施設に通わせる場合も、自治体からの補助金が「住民税額」に応じて決まるケースが多くあります。
制度の内容は自治体によって大きく異なります。必ずお住まいの市区町村の「保育課」などの窓口やホームページで、「保育料の階層表」や「減免制度」について確認してみてください。
最後に、今回のポイントをおさらいしましょう。
■保育料を下げる基本は「働き方の工夫」と「所得控除の活用」。
■大事にしたいことを明確にしつつ、経済と生活のバランスを考えましょう。
■育休や時短勤務は、翌年以降の保育料をおさえる上で有効な選択肢です。
■ふるさと納税や住宅ローン控除は保育料自体に影響はありませんが、手取りを増やす別の役割を担っています。
■お住まいの自治体の独自制度の確認を忘れずに!
制度を正しく理解し、ご自身のライフプランに最適な選択をすることが、賢い家計管理の第一歩です。 お金の不安を少しでも解消して、この夏、そしてこれからの毎日をお子さまとめいっぱい楽しんでくださいね!
今回の記事やお金に関する事で、わからない事、ご不安な事がある方は、以下の公式LINEからご相談を承りますので、お気軽にご連絡ください。
次回も日常に役に立つ内容を取り上げますのでお楽しみに!
今回教えてくれたのは、
遠藤 直人先生
■ファイナンシャルプランナー
地域に暮らす人々の人生が最低限、お金に邪魔されることのないよう、お金の「かかりつけ医」として経済的・精神的安心を提供します
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