育休明けの選択肢！？〜育児時短就業給付金〜｜トキっ子くらぶ – にいがた子育て応援団

育休明けの選択肢！？
〜育児時短就業給付金〜

2025年4月、雇用保険制度が大きく見直され、子育て世代にとって頼もしい制度がいくつもスタートしました。
前回のコラムでは、
❶育児休業給付の拡充（休業前と変わらない最大手取り10割）
❷男性の育児休業取得促進（パパ育休の活用）
❸失業給付の給付制限緩和（2か月→1か月）
といった内容をご紹介しました。

そして今回は、育児と仕事を可能な限り両立したい方に特におすすめの新制度「育児時短就業給付金」について、詳しくお伝えします。

「時短で働く」という選択肢に
経済的支援を

育児時短就業給付金

子育て中、とくに保育園に預け始めたばかりの頃は、子どもの急な発熱や体調不良が多かったりしますよね。よって、フルタイム勤務が難しい場面も増えます。
「家族との時間を優先したいけど、収入が減るのは不安…」
そんな悩みに応えるのが、2025年4月に新設された「育児時短就業給付金」です。

この制度では、2歳未満の子どもを養育しながら、育児のために時短勤務をする方に対し、賃金日額の10％相当額が最長2年間（もしくは子が2歳に達する前日までのいずれか早い方）支給されます。時短勤務によって減ってしまう収入の一部を補ってくれる、ありがたい支援です。

■実際時短勤務をするとどのくらい収入が減るの？
たとえば、1日8時間勤務から6時間勤務に切り替えた場合、月給が約25％程度下がることになります。仮に手取り20万円だった方が、時短後には約15〜16.5万円に減ってしまうケースもあります。つまり、月3.5〜5万円の減少となってしまいます。
たとえば、所定労働時間が8時間の会社で6時間の時短勤務をする場合、労働時間は所定労働時間の4分の3になるので、基本給も4分の3に。

育児休業給付金

加えて、残業代や賞与にも影響があり、特にみなし残業代が含まれている方は注意が必要です。こうした収入減は、生活費や保育料の支払いにも影響することがあります。

■「給付金＋保育料軽減」のWメリットも
「育児時短就業給付金」により、月に1〜2万円前後の補助が得られることで、家計の不安をやわらげながら、家庭と仕事のバランスを取りやすくなります。
この給付金は非課税です。つまり、所得税や住民税の課税対象にはなりません。さらに、時短勤務により収入が減ることで、住民税も下がり、結果的に保育料が軽減されるケースも少なくありません。
「給付金を受け取りながら保育料も下がる」このWメリットは、子育て家庭にとって大きな支援になります。
また、勤務時間が短くなることにより、社会保険料の負担も軽くなる可能性がある点も見逃せません。

実務上の注意点
「報酬月額変更届」をお忘れなく！

育児時短就業給付金

ここで、もうひとつ大切なお話を。
育児休業が明けて復職した際、時短勤務により給与が下がった場合は、「育児休業等終了時報酬月額変更届」の提出を検討するのも忘れずに。
この手続きを忘れると、休業前の高い給与額に基づいて社会保険料が引き続き高く算出されるため、実際の給与よりも保険料負担が重くなることがあります。
この届出は、復職後3か月分の給与が確定した時点で、事業主が提出する書類です。勤務先の人事や総務に確認し、必要な手続きがされているか必ずチェックしましょう。

まとめ：柔軟な働き方が、家族の笑顔を守る

柔軟な働き方が、家族の笑顔を守る
育児と仕事の両立に、正解はありません。
「フルタイムで復帰してがんばりたい」人もいれば、「子どもとの時間を優先しながら少しずつ働きたい」人もいます。
大切なのは、それぞれの家庭に合った「育児や働き方」の選択肢を選べること。そして、その選択を制度がしっかり支えてくれることです。新たに始まった「育児時短就業給付金」は、まさにそのための制度。家庭とキャリアの両立を、あきらめない選択が、今の時代にはあります。

最後に：制度は「知って・使って・活かす」もの
雇用保険制度は、かつては「失業したときの保険」というイメージが強かったかもしれません。しかし今や、育児・介護・病気など、“人生の転機”を支える社会インフラへと進化しています。自分の人生設計や家族との暮らしを大切にするために、制度を「知って」「使って」「活かす」力が、これからますます必要になっていくでしょう。
子育て世代の皆さんが、安心して働ける社会へ。
今回の制度改正を、ぜひ前向きに活用してみてください。

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