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東日本大震災の際、東京電力福島第一原子力発電所では津波により電源の大部分を失い、燃料を冷やし続けることができなくなり、重大事故に至りました。事前の備えによって防ぐべき事故を防げなかったという反省のもと、柏崎刈羽原子力発電所では二度とこのような事故を起こさないために安全対策を進めています。

原子力発電やエネルギーについて考えていただくきっかけや参考材料として、このページでは、原子力発電の仕組みや防災対策について、そこで働いている人たちがどんなことを考え、仕事をしているのかをご紹介します。


【今回のテーマ】

1.発電所の安全対策⑦
第7回は、フィルタベント設備について

2.東京電力のおしごと
柏崎刈羽原子力発電所で働く東電社員を紹介。建築(第一)グループの小川さんからお話を聞きました

3.教えて!気になる放射線
放射線で見えないものを見る?

4.原子力発電所を守る!はたらく車たち
発電所の安全を守る「車たち」を紹介!今回は「消防ポンプ車」が登場!

5.サービスホールからのお知らせ(終了しました)
12月の催し


📝1.発電所の安全対策⑦

Q.フィルタベントって何?

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A.放射性物質の大規模放出を抑える設備です。

柏崎刈羽原子力発電所では福島第一原子力発電所の事故の反省を踏まえ、安全確保に必要な設備を何層にも強化していますが、これらの安全対策が有効に働かなかった場合に備えて設置しました。燃料の冷却ができなくなる重大な事故が発生した場合には、格納容器の圧力を下げるために容器内の気体を排出する「ベント」操作を行います。その際、排出する気体に含まれる放射性物質をフィルタで取り除くことで外部への放出量を低減します。

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フィルタベント装置は粒子状の放射性物質を、約1,000分の1以下に低減する性能があります。さらに、よう素フィルタによりガス状のよう素の98%以上を取り除くことができます。格納容器内に放射性物質が充満していても、フィルタベントを通すことで土壌汚染を大幅に抑制して、放射性物質の影響を可能な限り低減することができます。

■どうやって放射性物質を取り除くの?

格納容器内の気体が「気泡細分化装置」と「金属フィルタ」を通過する過程で、粒子状の放射性物質を99.9%以上取り除きます。

なお、ベント実施の際には国や地元自治体等へ確実に通報連絡を行います。


📝2.東京電力のおしごと ~建築(第一)グループの小川さん~

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✍プロフィール

小川 千秋(おがわ ちあき)
上越市出身 1992年入社
柏崎刈羽原子力発電所
第一保全部 建築(第一)グループ

■建築グループのしごと内容は?

私の所属する建築(第一)グループは、主に発電所の安全性を高めるための工事を担当しています。グループには火災・竜巻・津波などの対策ごとにメイン担当者がいて、私はチームリーダーとしてそれぞれの工事が円滑にすすむよう、全体を見る立場です。

■東京電力に入社したきっかけ

tepco_img_3067edit私の母は理容師で、私が中学で進路を考えている時に「これからの時代、手に職をつけたほうがいいんじゃない?」とアドバイスをくれました。初めは漠然と普通科の高校にいくものだと思っていたのですが、他にどんな道があるのかを考え調べていくうちに建築に興味を持ち、工業高校の建築科に進学しました。

同級生は、実家が工務店で大工さんになったり、住宅メーカーに就職したりする人が多いなか、先生から「東電を受けてみないか?」と進められ、当時は地元・上越を離れる不安もありましたが、大きな規模の会社なので色々なことが経験できるんじゃないかという思いがふくらみ、東電に入社を決めました。

■東日本大震災の時は?

その年、私は育児休職中で1歳の息子と自宅にいました。テレビに映し出される地震と津波、福島第一の事故の様子を見て、がく然としたのを覚えています。私は入社以来、柏崎刈羽原子力発電所の建物や設備の設計・建築に携わってきて、中越沖地震の大きな揺れに原子炉建屋が耐えたのも間近で見てきたので、信頼してきたものが壊れる様子を目にして大きなショックを受けました。

■職場復帰をしてから

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同じ年の10月に職場復帰をして、現在は、発電所の安全性を高めるための設計・工事に携わっています。

安全に対しては「これで大丈夫」は無く、これでもか、これでもかと、自分が納得できるまでとことん検討を重ねることが大事だという思いが強くなりました。例えば原子炉建屋内に『耐火壁』を作るとき、単に頑丈なコンクリート壁を設計すればいいということではありません。壁の温度上昇は規定内か、緊急時にもスムーズな往来ができるか、後に周囲の設備点検をする時に支障にならないか、他に安全上の問題が生じていないかなど、その壁を作ることで新たに発生する影響をさまざまな観点から検討します。

高品質の設備を作っていくためには、しっかりと安全に工事を行うことが何よりも大切だと考えています。多方面から検討を重ねることは発電所の安全品質を高めるためにとても重要であることを、後輩たちにも伝えていきたいと思っています。

■母として、女性社員として

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友人から発電所について疑問や不安の声があれば、知っていることは全てわかりやすく答えるように心がけています。

一児の母として「安心して子育てできる環境」を求める思いは、私も周りのお母さんたちと同じです。信頼関係は人と人のつながりから生まれると思っているので、誰に対しても誠実に向き合い、話をしたいと思っています。

そして、「女性だから…」と自分の可能性を狭めないで、同じように働くお母さんや後輩たちのためにも、胸を張れる仕事を続けていきたいと思っています。


📝3.教えて!気になる放射線

目に見えず、においもしない放射線。「今さら聞けないけれど、本当に影響はないの?」と不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。ここでは、健康への影響や意外な活用法など、将来ママになる女性が疑問を持つテーマや親子で学べるミニ知識を毎月ご紹介します!

~放射線で目に見えないものを見る?~

放射線は様々な性質を持っていて医療や工業、農業など幅広い分野で活用されています。

前回、放射線の透過力(モノを通り抜ける力)についてご紹介しました。放射線の透過力を使うと、外部からは見えない内部の様子を知ることができるので、病院などで受けるエックス線検査にも利用されています。エックス線を身体に照射して体内の状態を画像化するCT(コンピューター断層撮影法)検査は、癌や脳出血などの早期発見に有効です。エックス線検査は病院以外にも、空港での手荷物検査で利用されています。

※局部CT検査(1回あたり)では、約6.9ミリシーベルトの放射線を受けます。私たちが日常生活で受ける自然界の放射線量は、年間約2.1ミリシーベルトです。なお、医療で受ける放射線は、病気の発見に有益であることから、一般公衆の線量限度(1ミリシーベルト/年)には含まれません。

参考:『ニュースアトム』2014.7「放射線のはなし㉙」、2014.9「放射線のはなし㉛」


🚙4.原子力発電所を守る!はたらく車たち

『消防ポンプ車』

発電所では、緊急時に原子炉や使用済み燃料プールを冷却するさまざまな手段を用意しています。全て電源がなくなって冷やすための設備が動かせなくなったときにも、原子炉などへ水を送り込むことができるように、発電所の高台などに42台の消防ポンプ車を分散して配備しています。


🎪5.サービスホールからのお知らせ

サービスホールでは、原寸1/5の原子炉模型をはじめとする様々な展示物を動かしながら、原子力発電のしくみや安全対策の取り組みなどについてご案内しています。

『キッズフォレスト』は、冬の寒い日でも安心して楽しんでいただける、お子さま向けの室内遊具がもりだくさんです!

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広い壁にボールのとおりみちを作って遊ぶ『ぼーるのいけ』や、かげのモンスターにぶつからないように上手によける『かげのもり』、工作やワークショップをおこなう『おはなしのひろば』、小さなお子さまが自由に遊べる『あそびのはらっぱ』などがあります。ご家族みんなで遊びにきてください!

■サービスホール

12月の催し(終了しました)

<クイズラリー>毎日開催!

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<工作教室>12/23(祝・金)・24(土)・25(日)

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難易度★ 難易度★★ 難易度★★★
とびだすサンタさん はなやかリース ツリーのえんぴつ立て

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»トキママ調査隊『一緒に考えよう 原子力と放射線』(2015年)
»東京電力ホールディングス新潟本社
»柏崎刈羽原子力発電所 広報・ふれあい施設

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