お小遣いを通したお金の教育

前回、「ノーベル賞の歴代受賞者の5人に1人はユダヤ人で、そのユダヤ人は3歳からお金の教育がスタートして8歳から自分で投資を始める」と書きました。お金の教育と社会活動には密接な関係があるように思えます。

最近、中学校や高等学校の先生から「お金の授業を手伝ってほしい」とご依頼いただくことが多くなってきています。具体的な投資信託やNISA/iDeCoのこと、社会の仕組みのこと様々なテーマではありますが、着実に“お金の教育”が進み、場合によっては子どもたちの方が金融に関して知識があるなんてことも見受けられるようになってきました。

これからの日本においてもお金の教育が進み、特に未来を担う子どもたちが、お金に邪魔されない生活を送れるようになってくれたら良いなと思っています。

そんなお金の知識を深める意味でも今回はノーベル賞とお小遣いについて触れていきます。

① ノーベル賞
ノーベル賞は、ダイナマイトの発明者として知られるスウェーデン出身のアルフレッド・ノーベル氏の遺言で1901年から始まった世界的な名誉ある賞です。毎年金額は少し異なりますが、2024年は各賞あたり約1億5千万円の賞金が授与されています。

しかし、この賞金や授与式などの費用はどうやって賄われているのでしょうか?
物理・化学・生理学・医学・文学・経済学の6部門、その費用は毎年10億円近いものです。毎年遺産を取り崩しているならば、いずれ枯渇するはずです。しかし、これまで120年以上続いている答えは、「運用」です。毎年遺産を運用し、その運用によって増加した資産の一部を賞金にしていたのです。そのため現在遺産は減っていないそうです。

参照:THE NOBEL FOUNDATION ANNUAL REPORT 2023

手段はともかく、この考え方は私たちのお金の付き合い方について考えさせられますね。
減らない資産を作ることができれば、仕事、生活あらゆる場面で判断基準において「お金」の優先順位が下がり、お金以外の理由で人生の選択ができる。
これこそが豊かな人生につながるのではないでしょうか?

お金に対する考え方、付き合い方が柔軟になることが、よりお金に邪魔されない生活を手にすることにつながると思います。

②お小遣いについて
お金の価値観が育つのはいつでしょうか?お金について学んだ記憶はありますか?
おそらく多くの日本人は“成り行き”でお金に慣れていくという感覚に近いのではないでしょうか?

日本では子どもたちにとってお金に触れる機会はとても少ないと思います。お年玉かお小遣いくらいでしょうか。だからこそお小遣いはお金に触れられる貴重な機会だと思います。何歳からお小遣いをあげると良いかという質問もよくいただきます。ユダヤ人の例を見る限り、早ければ早いほど良いと思ってしまいます。1年遅くなるだけで、数回から数十回、お金に触れるチャンスが少なくなるわけですから。しかし、どのようなお小遣い制度にするのかがやはり大事です。

例えば、ユダヤ人は小学生くらいの子どもたちにも10,000円ほどのお小遣いを与え、その中から自分の習い事の月謝、時には家賃=部屋の利用料、食費などを支払わせるそうです。お小遣いを通じて、誰かが何かをしてくれるのは当たり前ではなく、何かをしてもらうには対価として報酬があることなどを教えていくと言います。厳しい家庭では毎月定額のお小遣いはなく、家の手伝い(貢献)をしたら、お小遣いを与えるという家庭もあるようです。つまり、毎月の家賃を払うためには毎月必ず何かしらのお手伝いをしなければならないそうです。

お小遣いのタイプには大きく分けて2つあります。

お小遣いのタイプ メリット デメリット
報酬型 貢献の対価=お金と知れる 親御さんの管理が難しい
定額型 お金の管理能力が身につく 安定志向になりやすい

どちらが良いかではなく、どう育ってほしいかで組み合わせると良いと思います。

ある経営者の方は、息子さんに対して、将来できれば自分の会社を継いでほしいという気持ちがありました。そのため、経営に一番必要なのは何かと考えた結果、何よりもハードに働ける体力だと考えたそうです。そのため、「自宅前の道路に50mの印をつけ、この50mを走って自己ベストが出せたらお小遣いをあげる」という制度にしていました。同時に挑戦すること、過去の自分よりも成長することの重要性が学べそうですね。

また別な方は、やっぱり”貯める力をつけて欲しい”ということで、お年玉をただ預かるのではなくて、①今お年玉をもらうか、②ママファンドに投資をするかを選ばせるそうです。ママファンドに預けると1年で10%利息をつけるそうです。数字や計算を学ぶ理由にもなり、理系の力や将来性を育てる良い機会になりそうですね。

こどもたちに最低限、どんな力をつけて欲しいか。

そんなことを考えながら、お小遣い制度を設計してみてはいかがでしょうか?
子どもたちにとって、将来を生き抜く力を育てる貴重な学びの機会だと思います。
生きた教育となることを願っています。

私のこれまでの情報が少しでも、お金に邪魔されない人生につながるような学びの機会になっていただけましたら幸いです。

次回からは当社の社員がより具体的なテーマでコラムを連載する予定です。
引き続きお楽しみください。


今回、教えてくれたのは

大澤 裕貴先生
■ファイナンシャルプランナー
地域に暮らす人々の人生が最低限、お金に邪魔されることのないよう、お金の「かかりつけ医」として経済的・精神的安心を提供します


\過去のコラムはこちらから!/
教育資金とは?意味のあるお金の準備
◆なぜ物価が上昇するの?投資信託ってなに?
◆年賀状どうする?はがきの値段から物価について考える

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<2025年1月現在の情報です>


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