東日本大震災の際、東京電力福島第一原子力発電所では津波により電源の大部分を失い、燃料を冷やし続けることができなくなり、重大事故に至りました。事前の備えによって防ぐべき事故を防げなかったという反省のもと、柏崎刈羽原子力発電所では二度とこのような事故を起こさないために安全対策を進めています。
原子力発電やエネルギーについて考えていただくきっかけや参考材料として、このページでは、原子力発電の仕組みや防災対策について、そこで働いている人たちがどんなことを考え、仕事をしているのかをご紹介します。
私たちの住む新潟県には、東京電力の「柏崎刈羽原子力発電所」があります。2011年、福島第一原子力発電所で事故が発生し、放射線や原子力発電について様々なメディアで取り上げられました。
あれから6年。東京電力では、今どんな取り組みを行っているのでしょう?トキっ子くらぶのモニターさんが東京電力に聞いてみました!(2017年1月開催)
モニター👩:私は原子力発電所のある柏崎市に住んでいます。子どもが長岡に進学することになり、他の地域の方が原子力発電についてどう思っているのか知りたいと思って参加しました。
原子力の話は難しいので、東京電力には、子どもにもわかるような情報発信をしてほしいと思っています。
東京電力📚:専門用語をなるべく使わず、原子力に詳しくない方にもイメージしやすいご説明を心がけます。わからないことがあったら、途中でも気軽に質問してください。
東京電力📚:いちばんの問題は、津波への備えが十分ではなかった上に、「これだけ対策しているから大丈夫だろう」という慢心があったことです。
その反省から、柏崎刈羽原子力発電所では、「ここまでやれば大丈夫」という考え方をあらため、もっともっと高い安全性を目指し続ける考え方に変わりました。具体的には、津波による浸水や衝撃を防ぐ「防潮堤」、敷地に浸水してしまっても建物への浸水を防ぐ「防潮板・防潮壁」、建物に浸水してしまっても重要設備を守る「水密扉」のように、多重の対策を行い、緊急時に対応する訓練を重ねています。
東京電力📚:福島第一では、地震の揺れを感知して設計通りに原子炉の運転を自動停止することができたのですが、そのあとに襲来した大津波によって原子炉を冷やすための電源設備などが水没してしまった結果、大きな事故に至りました。
柏崎刈羽原子力発電所では、中越地震や中越沖地震の経験から、地震への対策を強化してきました。緊急時に対応する免震構造の建物などが、その例です。さらに福島第一の事故後にも、地震への対策をより一層すすめています。
(追記:2017年3月) 柏崎刈羽原子力発電所の免震重要棟は、中越沖地震相当の地震の揺れに耐えられるように設計したものです。しかし、福島第一の事故以降に策定された新規制基準に合致する「緊急時対策所」として扱うことはできないと判断しました。免震重要棟は中越沖地震相当の地震には十分耐える設備であるため、有効な活用方法を検討していきます。 【東京電力ホームページ 2017年3月2日プレスリリース】 |
≫次回に続きます🎤👩📚
◇ | 坂井 敏幸(さかい としゆき) |
◇ | 柏崎市出身 1993年入社 |
◇ | 柏崎刈羽原子力発電所広報部 柏崎地域グループ |
私は、柏崎市内の中でも原子力発電所にほど近い地域で生まれ育ちました。そんな環境のなか、「発電所」を初めて意識し実感したのは、発電所見学をした中学生の頃です。地元に最新鋭の大きな設備があることに感動し、将来はここで働きたいと考えるようになりました。
工業高校を卒業後、東京電力に入社すると、福島第一や柏崎刈羽で主に放射線を管理する業務を担当しました。そして、平成23年に福島第一が事故を起こした時は、対応要員として柏崎刈羽からすぐに福島入りしました。
作業員の放射線測定やマスクの着脱など、やるべきことは後を絶たず、時間や日にちの感覚も無くなってしまうような状況のなか、福島第一や自分自身はどうなってしまうのかという不安を抱えながらも、無我夢中で対応をしました。
避難される方のお手伝いをした時には、皆さまの辛さや苦しみを間近で感じ、我々の起こしてしまった事故がどれだけ重大で深刻なものなのかを痛感しました。
現在、発電所の現状や取り組みをお知らせする部署に異動し、これまでよりも地域の方と交流する機会が増えました。
地元ということで、お話しをさせてもらう方の中には同級生の親戚や共通の友人がいたりして、親近感を感じてもらったり話を聞いてもらいやすい雰囲気になることもありますが、これに甘んじることなく、満足してもらえるような説明をしたいと思っています。
先輩からの「『現場・現物・現実』に向き合わないと本質はみえない」という言葉を胸に、直接お会いすること、特にトラブルがあった時には、できる限り早くお伺いしてご説明することを大切にしています。
地域の皆さまのご関心にお応えするために、私は自分の言葉で分かりやすくご説明することを心がけています。
技術職場で培った経験は私の強みです。易しい言葉で補足したり、時には専門的な話もイメージしやすいように身近なものに例えてお話ししたりすることもあり、「よく分かった」「頑張れ」などとお声掛けいただいた時は、一層気が引き締まります。
設備の安全対策を進めることはもちろんですが、ご不安やご懸念にしっかりとお応えすることも、事故の当事者としての責務です。これからも地域の皆さまとのコミュニケーションを大切にして、発電所と地域をつなぐ「架け橋」になりたいと考えています。
目に見えず、においもしない放射線。「今さら聞けないけれど、本当に影響はないの?」と不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。ここでは、健康への影響や意外な活用法など、将来ママになる女性が疑問を持つテーマや親子で学べるミニ知識を毎月ご紹介します!
◆ヨウ素には放射線を出す「放射性ヨウ素」と、放射線を出さない「安定ヨウ素」があります。安定ヨウ素剤は、放射線を出さない安定ヨウ素からつくられた薬剤です。
◆ヨウ素は、人間の体内に取り込まれると、のど元にある「甲状腺」にたまる性質があります。甲状腺とは、のどぼとけのすぐ下にある小さな臓器です。
◆原子力発電所で外部への放射性物質の放出を伴う重大な事故が発生し、体内への放射性ヨウ素の取り込みが予想される場合には、前もって安定ヨウ素剤を服用することで、放射性ヨウ素が甲状腺にたまることを防ぎます。
参考:ニュースアトム2015年10月「放射線のはなしvol.43」
◇開催日:毎週土・日・祝日 ◇所要時間:約30分
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