東日本大震災の際、東京電力福島第一原子力発電所では津波により電源の大部分を失い、燃料を冷やし続けることができなくなり、重大事故に至りました。事前の備えによって防ぐべき事故を防げなかったという反省のもと、柏崎刈羽原子力発電所では二度とこのような事故を起こさないために安全対策を進めています。
原子力発電やエネルギーについて考えていただくきっかけや参考材料として、このページでは、原子力発電の仕組みや防災対策について、そこで働いている人たちがどんなことを考え、仕事をしているのかをご紹介します。
福島第一の事故では、原子炉内で発生した大量の水素が漏れ出して建物内の上部にたまり、何らかの原因でそれに引火して水素爆発が起きました。
そのため、柏崎刈羽原子力発電所では水素ガスを発生させない様々な対策をしています。
それでも水素ガスが発生してしまった場合でも、福島第一のような水素爆発を防ぐために、建物内の上部に「水素処理装置」を設置しました。
この「水素処理装置」は電源も操作も必要なく、建物内の空気の流れで装置内部の「触媒」に触れた水素と酸素を水蒸気(水)に変えるので、建物内に水素がたまるのを防ぐことができます。
◇ | 大田 陽一(おおた よういち) |
◇ | 富山県出身 2010年入社 |
◇ | 柏崎刈羽原子力発電所 第二保全部計測制御グループ |
原子炉の圧力や水位等を測定する機器について、配線や測定器に不具合が無いか、不具合の原因になるような劣化が生じていないか、日々、確認を行っています。これらの機器は、原子炉建屋内の様々な設備の状態を把握するためにとても重要なものです。
工業高校で電気や機械について勉強していたこともあり、卒業後も電気にかかわる仕事がしたいと考えていました。そして、発電所で電気を生み出す仕事をしたいと思い、東京電力への入社を希望しました。
発電所構内を移動している時に大きな揺れを感じ、すぐに原子炉建屋に戻って先輩と緊急パトロールに出ました。自分たちの持ち場の確認が済んで、大きな異常もなくホッとしながら事務所に戻ると、福島第一に大きな津波が来たことを知り「自分はこれまで、原子力のリスクに向き合えていただろうか――」と、胸が締め付けられる思いでテレビのニュースを見ていました。
原子力のリスクに向き合い対応していくためには、丁寧に誠実に業務に取り組み、安全をひとつずつ積み上げていくことが重要だと考えています。
私たちの仕事は、異常やトラブルが無く順調なのが当然。ほめてもらえることはないかもしれないけれど、問題なく機器が動いていることが、やりがいにつながっています。測定結果をもとに仕事をするたくさんの人がいるということを意識し、設備を使う人の気持ちや立場になって仕事をするようにしています。
これからも先輩や協力企業の方々とよくコミュニケーションをとりながら、知識や技術を身につけていきたいと思っています。
入社してすぐのころ、富山に住んでいる両親がサービスホールを見学しに来てくれたことがありました。それまでも発電所の仕事について話したことはありましたが「見学してみて色々な事がよくわかった」と言っていたのを覚えています。
サービスホールや発電所を見学していただき、現在の発電所の状況やより強化された安全対策についてもっと知ってもらいたいですね。
目に見えず、においもしない放射線。「今さら聞けないけれど、本当に影響はないの?」と不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。ここでは、健康への影響や意外な活用法など、将来ママになる女性が疑問を持つテーマや親子で学べるミニ知識を毎月ご紹介します!
暗いところでも時刻を確認することができるよう、「夜光塗料」が施された時計があります。
1900年代初頭、時計の文字盤や針を光らせる夜光塗料が発明されました。初期の夜光塗料には、発光するために「ラジウム」(アルファ線とガンマ線を出す放射性物質)を使用していました。ラジウムから出る放射線の刺激で塗料が発光する仕組みです。
その後、ラジウムより安全性が高いなどの理由から「プロメチウム」が使用されるようになりました。プロメチウムはベータ線を出す放射性物質で、ガンマ線のように時計のガラスの外側まで通過しません。
現在は、放射性物質を使用した夜光塗料の生産はほぼ無くなり、太陽光や照明の明かりを吸収して蓄え、暗い所で徐々に発光する蓄光タイプの塗料に置き換わっています。
参考:ニュースアトム2016年7月「放射線のはなしvol.47」
◇開催日:土日祝日 ◇所要時間:約30分
テーマは『空気の不思議な力』
空気の力を使って重たいものを持ち上げたり、クジラの潮吹きを実験するよ!
◇開催日:土日祝日
難易度★ | 難易度★★ | 難易度★★★ |
リサイクルごま | くるくるだこ | カラフルおまもり |
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もっと詳しく知りたい方はこちら!
»トキママ調査隊『一緒に考えよう 原子力と放射線』(2015年)
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