ほほに涙のあとをつけたまま、泣き疲れて眠ってしまった女の子。
その子の顔をなでながら、あなたはボクに言いました。
「わたし、ダメな母親なんです。この子を怒ってばかり。
もっと優しくすればいいのに。心が冷たいんです、わたし」
と震えた声で。
なるほどね。でも、あなたの心が冷たかったら、
この子の寝顔を見ながら後悔なんてするのでしょうか。
いいえ、悲しくなるのは優しい証拠。
愛してるから泣きたくなってしまうのですよ。
あなたはこの子が目を覚ましたら、両手でぎゅっと抱きしめて
「大好きだよ」と言ったらいいんです。
そしたらこの子はきっと許してくれますよ。
「ママ、大好き」って言ってくれますよ。
自信がなくても悔やんでいても、あなたはこの子を命がけで生んだ母親ですもの。
あなたはこの子にとって、世界でいちばんステキなママですよ。
<文>藤田市男
エッセイスト。新潟市江南区生まれ。
娘5歳・息子1歳のときに青年実業家を目指して独立し、しばらく中年実業家。…気付けばエッセイスト。
著書:【手づくり絵本:ちいさな手】うに企画/【家族っていいなぁ】パート1~3などあたたかなエッセイにファン多数です☆
トキっ子ラウンジvol.18(2011年9月25日発行)掲載