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東日本大震災の際、東京電力福島第一原子力発電所では津波により電源の大部分を失い、燃料を冷やし続けることができなくなり、重大事故に至りました。事前の備えによって防ぐべき事故を防げなかったという反省のもと、柏崎刈羽原子力発電所では二度とこのような事故を起こさないために安全対策を進めています。

原子力発電やエネルギーについて考えていただくきっかけや参考材料として、このページでは、原子力発電の仕組みや防災対策について、そこで働いている人たちがどんなことを考え、仕事をしているのかをご紹介します。


【今回のテーマ】

1.発電所の安全対策
第4回は、原子力発電所の運転員が訓練を行う「BTC」を紹介します

2.東京電力のおしごと
柏崎刈羽原子力発電所で働く東電社員を紹介。タービングループの西山さんからお話を聞きました!

3.お知らせ
サービスホールのキッズスペースがリニューアルOPEN!


📝1.発電所の安全対策④

Q.BTCって?

A.「沸騰水型軽水炉(BWR)運転訓練センター」の略称で、原子力発電所の運転などを訓練する専門の施設です。

 

原子力発電所の運転は、主に発電所の中にある「中央制御室」で行われます。中央制御室では、運転責任者(当直長)を中心とした運転員のチームが、安全確保を最優先に24時間体制で機器の監視や操作などを行っています。

 

BTCの運転訓練用シミュレータは、発電所に設置されている制御盤を忠実に模擬した外観と機能を持っていて、実際の発電所と同じ感覚で監視や操作訓練をすることができます。

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制御盤はそれぞれコンピュータに接続されていて、あらかじめ作成・登録した指令や制御盤の操作によって、さまざまな状態を表示できるようになっています。

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運転員のチームは、BTCで実物の制御室と同じ雰囲気のなか、実機と同じ動きをする制御盤で、トラブルに対応する訓練を定期的に行っています。


📝2.東京電力のおしごと ~タービングループの西山さん~

✍プロフィール

西山 雅人さん
青森県むつ市出身 2011年入社
入社後、柏崎刈羽原子力発電所に配属され、運転員として2年間勤務。その後、運転部門と保全関係部門の業務交流のため、保全部に1年間駐在。現在は、第二保全部タービングループに所属。

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■しごと内容は?

私の所属するタービングループは、もともと発電設備の一部分であるタービンの保守・点検を行う部署です。
今は、原子力発電所の安全性を高めるための設備を新設・増設する際の進捗確認やスケジュール調整をしていて、ガスタービン発電機を動かすための地下燃料タンク据え付けと、消火ポンプ増設の工事を担当しています。
原子力発電所で事故が起きたとき、タービングループのメンバーは原子炉に水を送り込んで燃料を冷やすための作業を行う注水隊になります。地震や津波などで電源が使えなくなって、原子炉を冷やす機能が止まってしまっても、消防ポンプ車などを使って原子炉圧力容器に直接注水して原子炉内の燃料を冷やし続けます。そのために、私も消防ポンプ車の起動や操作の訓練を繰り返し行っています。

■ある日の 西山さんの一日

8:30
朝礼
発電所では、安全対策工事等の進捗状況を共有するため、グループマネージャー(GM)が出席する会議が毎日行われていて、その会議の内容が周知される。また、作業安全の意識向上のため、過去のトラブル事例や作業ルールの読み合わせを行っている。
10:00 現場
ガスタービン発電機車の燃料タンク設置工事の現場確認。工事の進捗やトラブル等が起きていないかなど、協力企業の皆さんと確認。
12:00 昼食
現場立ち合いは体力を消耗するので、お昼はしっかり食べて休憩する。
13:00 机上業務
担当している工事の作業許可をもらうための各種申請をしたり、協力企業や上司と相談しながら、スケジュールを決めていく。

■東日本大震災の時は?

4月1日の入社を控え、青森県むつ市の実家にいました。テレビで震災の映像や福島第一の事故の映像を見たとき、その状況に本当にびっくりして言葉が出ませんでした。
事故を起こした東京電力に入社することについて、当初は、両親や周りの人から心配をされましたが、柏崎刈羽原子力発電所で働く親戚の話も聞いていましたし、嫌と思うことはありませんでした。入社6年目となり、今は、周りの人たちも温かく見守ってくれています。

■事故後に入社して感じたこと

入社して驚いたのが、どんな小さなことも含めて全ての業務が「安全かどうか」という視点で考えられているところ。現場の階段の上り下りや軽作業など、入社直後の自分からすると「こんなことまで!?」と思ってしまうくらい、より高い安全を目指すために、常にきめ細かく検証がされていました。
私は福島第一の事故を、発電所の所員として経験してはいないので、入社直後は、事故についてぼんやりとしか捉えられていない部分もありました。しかし、発電所で働きはじめて安全対策の工事に関わり、設備に関する知識を深めていけばいくほど、あの事故の悲惨さや深刻さが、身に染みて分かってきました。事故以降、福島第一原子力発電所と柏崎刈羽原子力発電所では、人材の交流を進めています。事故当時に福島第一に勤務していた上司や先輩が同じ部署にもたくさんいて、その時の経験や、その経験をもとにしたアドバイスをしてくれます。こうした先輩が近くにいることで、事故を受け止め、安全対策をしっかり進めていかなければいけない、という思いがより強まります。

■心掛けていること

疑問に思うことがあったら、ため込まず、必ず相談や報告をしています。工事には、協力企業の方を含め大勢の方が関わっていて、安全に作業を進めるには皆さんの協力が不可欠です。「自分はこの工事のプロジェクトをまとめ上げるんだ!」という気持ちで、積極的に工事に関わる方々と接しています。そして、コミュニケーションを通じて、先輩や協力企業の方々が培ってきたノウハウや知識をたくさん吸収していきたいと思っています。


📝3.お知らせ

🎪サービスホールのキッズスペースがリニューアルオープン!

0才~小学生くらいのお子さまを対象としたキッズスペースです。
9/22(祝)、24(土)、25(日)はバルーンショーや、ウォーキングアニマルなど楽しいオープニングイベントを開催します。

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もっと詳しく知りたい方はこちら!
»トキママ調査隊『一緒に考えよう 原子力と放射線』(2015年)
»東京電力ホールディングス新潟本社
»柏崎刈羽原子力発電所 広報・ふれあい施設

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