【トキっ子エッセイ】
キミはイチゴです

 

春・・・
新しい扉を開ける季節です。
そして、その扉の向こうには、新たなステージが待っているのです。

ああ、でもちょっと心配。
新しい世界は魅力的だけど、不安もいっぱい。

たとえば入園。
わが子のはじめての日は、わたしも妻も心配でたまりませんでした。
それまでいつだって家族と一緒にいたわが子が、手の届かない世界にいってしまうのです。
親が見ていないところでやっていけるのだろうかと、心配でたまりませんでした。

でも、そんなときにわたしは思うのです。
「この子はイチゴだ」って。

知っていましたか?
イチゴって、辛い寒さを経験するから実をつけることができるのだそうですよ。
その経験がないと、イチゴはずっと苗のまま。

子どもたちはきっとイチゴなのです。
暖かすぎたら実ができないのです。

そんなイチゴのことを、子どものことでちょっと悩んでいたお母さんにもお話ししたことがあります。
そしたら、彼女は顔をあげこう言いました。

「じゃあイチゴが実って戻ってきたら、
ふかふかのスポンジケーキとあまーいホイップたっぷりでつつんじゃう!
クレープの皮でまるごと包んじゃう!そしたらイチゴ、喜んでくれるかな?」って。

ええ、もちろん。大喜びでしょうね。

<文>藤田市男
エッセイスト。新潟市江南区生まれ。
娘5歳・息子1歳のときに青年実業家を目指して独立し、しばらく中年実業家。…気付けばエッセイスト。
著書:【手づくり絵本:ちいさな手】うに企画/【家族っていいなぁ】パート1~3などあたたかなエッセイにファン多数です☆

 

トキっ子ラウンジvol.16(2011年2月25日発行)掲載

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