【トキっ子エッセイ】
ちいさな子

 

わが家にちいさな子がいると楽しいだろうなあと思う。

毎日がその子を中心にした生活になってしまって、
しばらくは静かに食事なんてできそうもないのだろうけれど、
夜中に熱を出して慌てさせられちゃうかもしれないけれど、
よだれのついた手でなんでも触るから
慌ててしまうかもしれないけれど…
それでも、ちいさな子がいたら楽しいだろうなあと思う。

そんな時代を経験してきたから言うんだけど、
いいんだなあ、そんな時代が。

お正月の初詣。

生まれたばかりのたいせつなたいせつな娘をおくるみに包み、
胸の中に抱いて妻と二人で歩いた。
娘に冷たい風を当てぬよう、コートの襟からこっそりと顔だけ出させて。

娘が自分で歩けるようになると、今度は息子。
生まれたばかりの息子を胸に抱き、妻と一緒に娘と手をつないで歩いた。

そのときはたいへんだったのかもしれないけれど、
すぎてしまえばとてもいい思い出。

いまも親子揃って初詣にいくのだが、
あのころと比べれば静かなものだ。

あのころ抱っこされていた子どもたちは、
いまでは一人で歩ける立派なオトナだ。

でも、そんなふうにオトナになった子どもたちのことを、
わたしたち親はいつまでも想う。
この子たちが幸せでありますようにと、そればかり願う。

 

<文>藤田市男
エッセイスト。新潟市江南区生まれ。
娘5歳・息子1歳のときに青年実業家を目指して独立し、しばらく中年実業家。…気付けばエッセイスト。
著書:【手づくり絵本:ちいさな手】うに企画/【家族っていいなぁ】パート1~3などあたたかなエッセイにファン多数です☆

 

トキっ子ラウンジvol.15(2010年11月25日発行)掲載

トップへ